ICP备案(工業和信息化部の备案)と、公網安備と呼ばれる公安機関のネットワーク安全备案は、中国本土向けWebサイトで混同されやすい別の手続きです。対象となるサービス、運営主体、接続事業者、サーバーやネットワークの利用状況によって確認事項が変わるため、「中国向けサイトならすべて同じ手続きが必要」とは一律に断定できません。

先に結論:ICP备案と公网安备は別制度

  • ICP备案:中国本土で非営利のインターネット情報サービスを提供する場合に関係する备案です。営利のインターネット情報サービスは、备案ではなく増値電信業務経営許可証の対象になることがあります。
  • 公网安备:公安機関が所管する、コンピュータネットワークの国際接続に関する安全保護の备案です。ICP备案とは目的、主管機関、申請窓口が異なります。

二つは相互に置き換えられるものではありません。また、旧記事にあるように「インタラクティブな機能の有無だけで対象を限定する」と整理することも適切ではありません。実際の対象範囲は、現行規則と所在地の公安機関・接続事業者の案内で確認してください。

ICP备案とは

工業和信息化部(MIIT)の現行規則では、中国本土で非営利のインターネット情報サービスを提供する場合、备案手続きが必要です。MIITが全国の管理を監督・指導し、具体的な备案管理は省・自治区・直轄市の通信管理局が実施します。申請はMIITの备案管理システムを通じて行い、接続事業者へ手続きを委任できる場合もあります。

一方、インターネットを通じて有償で情報やサービスを提供する場合は、非営利のICP备案ではなく、増値電信業務経営許可証など別の確認が必要になる可能性があります。サイトで販売、会員機能、広告、プラットフォーム機能などを提供する場合は、サービス内容と運営主体を具体的に整理して確認してください。

公网安备とは

公网安备は、一般に「公安联网备案」などと呼ばれる公安機関側の备案を指します。工業和信息化部が掲載する「コンピュータ情報ネットワーク国際接続安全保護管理弁法」第12条では、相互接続事業者、接続事業者、国際接続ネットワークを利用する法人・その他の組織などについて、ネットワークが正式に接続された日から30日以内に、所在地の公安機関が指定する受理機関へ备案する旨が定められています。

この規定は、Webサイトの機能がインタラクティブかどうかだけで判断する制度ではありません。中国本土の法人、拠点、接続形態、ホスティング契約などが関係する場合は、対象地域の公安機関または接続事業者へ確認してください。

二つの違いを比較

項目 ICP备案 公网安备
主な目的 非営利インターネット情報サービスの备案管理 国際接続ネットワークの安全保護に関する备案
主な主管機関 工業和信息化部・省通信管理局 公安機関
確認の基準 提供するサービスが非営利か、申請主体・サイト情報は何か ネットワーク接続、利用主体、所在地、セキュリティ管理の状況など
手続きの時期 サービス開始前に現行の备案案内を確認 規則上、正式接続後30日以内の备案が示されている

手続きを確認するためのチェック項目

  1. 運営主体は中国国内法人、外国法人、個人のどれか。
  2. 対象ユーザーとサービス提供地域はどこか。
  3. 会社案内などの無償情報提供か、販売・広告・会員・投稿機能を含むか。
  4. ドメイン、サーバー、接続事業者、データ保管場所は何か。
  5. ニュース、出版、教育、医療、文化、映像など、別の主管部門の確認が必要な内容を含むか。
  6. 登録後に、サイト内容、ドメイン、運営主体を変更する予定があるか。

一般的な進め方

  1. 運営主体、サービス内容、対象地域、ドメイン、サーバー、接続事業者を一覧にする。
  2. 接続事業者へ、ICP备案・営業許可・公安联网备案のどれが対象になるかを確認する。
  3. MIITの备案管理システムと、所在地の公安機関の現行案内を確認する。
  4. 申請主体、サイト責任者、ドメイン、接続情報、サービス内容などの資料を準備する。
  5. 备案・許可後は、登録内容と実際のサイト内容を一致させ、変更時の届出要否を確認する。

香港やその他の海外サーバーを利用する場合でも、サーバーの場所だけで要否を決めることはできません。中国本土へのサービス提供方法、運営主体、ドメイン、接続事業者、機能をまとめて個別確認してください。

Web制作会社へ相談するときに伝える情報

  • 対象地域と想定ユーザー
  • 運営主体と法人所在地
  • 情報提供、販売、会員、広告、投稿などの機能
  • ドメイン、サーバー、接続事業者
  • 公開予定日と、登録後に予定している変更

セカイウェブでは、中国・香港など海外向けWebサイトの情報設計、言語別ページ構成、公開後の更新体制を整理する相談に対応しています。許認可や备案の要否を確定するものではないため、申請・公開の判断は、最新の公式案内と所管機関・専門家への確認を前提にしてください。

参考にした公式情報

この記事は一般的な情報提供を目的としています。制度や地域の案内は変更される可能性があるため、申請や公開の判断は、最新の公式情報と所管機関・専門家への確認を前提にしてください。確認日: 2026年8月29日。